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2008/09/17

9月の樹 ~北海道弟子屈町・朝霧のなかの樹林

カテゴリ:
樹のある風景

 
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。この写真は、北海道弟子屈町(てしかがちょう)で2004年の9月に撮影した、朝霧のなかの樹林です。撮影にあたっては、中判のフィルムカメラと80~160mmのズームレンズを使いました。この地を撮影するために訪れたのではなく、当初予定していた撮影途中で偶然出合った風景なのですが、下草がなく、樹と樹がまばらに点在する、一見何気ない樹林が、あたりを覆う朝霧により、幻想的な雰囲気をかもしだしています。
 


霧は、刻一刻とその装いを変えてしまうため、霧を絡めた撮影は、時間との勝負になりますが、限られた時間のなかで、自分が目にしたこの雰囲気を、どうすれば、そのままの形でカメラに収めることができるかに、こだわって撮りました。足を使って小まめに動き回り、このポジションとこのフレーミングを見つけました。動き回ることで、逆に、動きのない、時が止まったかのような、静かな写真を撮ることができました。
 
撮影地の弟子屈町は、北海道の道東地方に位置する、自然が豊かな町です。弟子屈の名を聞いてピンと来なくても、「霧の摩周湖」の名でおなじみの、世界第一級の透明度を誇る摩周湖や、日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖の名は、みなさんご存じだと思います。つまり弟子屈町は、有名な観光地というわけです。風情あふれる温泉が多数ある温泉街でもあります。ですが、観光地然としていないところが大きな魅力です。道東地方には、このような魅力的な場所が、たくさんあります。
 
北海道は、冬の厳しい寒さの風景が最も絵になると思われるかもしれませんが、弟子屈町を筆頭に、道東地方は自然の宝庫であり、どのシーズンに訪れても、絵になる写真を撮ることができます。また、北海道に限らず、風景写真は、地元に暮らしてこそ撮れる写真がありますが、逆に、地元にいては目にとまりにくい風景もあります。風景との距離を置くことで、気付く風景もあります。この写真のような、霧がなければ見過ごされそうな樹林は、その一例ではないかと思います。
 
さて、みなさんは、今年の夏は、どのように過ごされましたでしょうか? この夏、私は、「夏の終わりの風景」を求めて、福島方面に向かいました。ここは、何度か訪れている場所ですが、このあたりに限らず、最近は、撮影時に季節のズレ・気候のズレを感じることも少なくありません。たとえば、そろそろ秋の始まりが感じられてもいい頃なのに、まだまだ夏真っ盛りだったり、12月になっても秋の装いのままで、翌年の1月になって、やっと冬を迎えたり……。
 
定点観測のように、いつも決まった時期に、決まった場所を訪れているわけではないので、私がそう感じているだけなのかもしれませんが、このところの四季の移り変わりの変化が、気になっています。今日撮った写真が、次に訪れたときにはもはや見ることができないのではないか。あるいは、そんな場所が増えてしまうのではないか。そんな危惧を抱いています。地球温暖化が関係しているのでしょうか。
 

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