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2008/07/17

7月の樹 ~鹿児島県大隅諸島・屋久島のヤクスギランド

カテゴリ:
樹のある風景

 
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。この写真は、鹿児島県大隅諸島(おおすみしょとう)の屋久島(やくしま)にあるヤクスギランドで、7年ほど前に撮影したものです。「ヤクスギランド」という名前から、レジャーランドやテーマパークの類を想像されるかもしれませんが、そうではありません。
 
ヤクスギランドは、独特の生態系と他にはない豊かで美しい自然を有する屋久島ならではの、樹齢数千年を超える屋久杉を含む原生林を比較的容易に鑑賞できる遊歩道が整備された、標高1000メートルの地にある自然休養林です。「自然休養林」というのは、林野庁が「人と森林とのふれあいの場」として全国各地の国有林に設定した「レクリエーションの森」で、ヤクスギランドには年間10万人を超える観光客が訪れています。
 


古木・巨木の数々に、ただただ圧倒されました。うっそうとした森のなか、木々が放つ生命力をひしひしと感じるとともに、長い年月がつくり出した木の表情や存在感に引き寄せられるようにシャッターを切りました。苔などの他の植物に覆われ、複数の木が絡まったかのような複雑な幹の姿に、大いに想像力をかき立てられました。圧倒される風景というのは、このような風景なのかもしれません。
 
世界自然遺産に登録されたことや、樹齢3千年以上と推定される縄文杉の存在で、今やすっかり有名になった屋久島は、一見、ほとんど人手が加えられたことのない“手つかずの原生林”のような印象がありますが、その多くは、人の手が入っています。かつては神として崇められていたため、伐採されることはありませんでしたが、江戸時代に伐採が始まり、高度成長期を迎えてからは伐採の規模も大きくなり、1970年以降、ようやく伐採は禁じられることになります。そのような歴史に、人と森林との共生の姿を感じます。
 
屋久島は“雨の島”と言われるほど雨が多く、また、晴れても好天は長く続かず、天候が急変しやすいことでも知られていますが、晴でも雨でも絵になる風景です。風景写真を撮られる方には、ぜひ一度は訪れることをお勧めしたい場所のひとつです。訪れる機会がありましたら、じっくりと腰を落ち着け、風景と向き合ってほしいと思います。
 

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