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2010/07/14

日本の高度成長を見てきた、日比谷公園のイチョウの樹

カテゴリ:
樹のある場所

 
みなさん、こんにちは。今回は、東京都千代田区にある「日比谷公園」をご紹介します。
 
日比谷公園が開園したのは、1903年(明治36年)。日本が今日の近代国家の礎を築いていた時代に、日本初のドイツ式洋風近代公園として開園しました。公園を設計したのは、当時の先端を歩んでいた2人の偉大な人物。「公園の父」と呼ばれ、今の東京大学農学部を主席で卒業した林学博士の本田静六(ほんだせいろく)氏、そして、助手の本郷高徳(ほんごうたかのり)氏です。本田氏は、日比谷公園や東京・明治神宮をはじめ、北は北海道の大沼公園から、南は福岡の大濠公園まで、多数の公園の設計に携わりました。
 
日比谷公園の特徴は、その立地にあります。霞が関や有楽町に隣接しながらも、都心にあることを忘れてしまいそうな憩いの空間となっています。花壇は四季折々の花が咲き、園内には大小いくつもの野外音楽堂が設けられ、数々のイベントが催されています。私が訪れた日は、イベント設置準備の真っ最中で、テントを設置する人、オーディオ機器を取り付ける人、ショーの打ち合わせをしているタレントさんなど、準備を進める人たちの姿が目に入りました。
 
立地ゆえなのか、開園以来、幾度となく時代の波もかぶってきました。歴史的事件の舞台となり、園内にあるレストラン「松本楼(まつもとろう)」が焼失する被害を受けたこともあります。
 
その松本楼の脇に、推定樹齢約400年、幹周り約6.5メートルの、イチョウの巨樹が立っています。その堂々とした姿は、周辺を通り掛かった人たちの足を止めてしまうほどの存在感があります。
 


このイチョウの樹は、元から園内にあったわけではありませんでした。以前は、今の日比谷交差点の脇にあったのですが、道路の拡張工事の際に伐採されそうになり、本田静六氏が日比谷公園に移植したと伝えられています。同氏が「私の首にかけてこのイチョウの樹は守る」と発言したことから、「首かけイチョウ」とも呼ばれています。
 
 

日本の高度成長を見てきたイチョウの巨樹がもたらす独特の安らぎ。日比谷周辺を訪れるたびに、この樹の存在を思い出します。 (文と写真:杉山忠義)
 

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