2010/06/09
鎌倉の山中に佇む、建長寺で目にしたビャクシン
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みなさん、こんにちは。今回は、神奈川県鎌倉市の建長寺(けんちょうじ)にあるビャクシンの樹をご紹介します。
円覚寺(えんがくじ)、寿福寺(じゅふくじ)、浄智寺(じょうちじ)、浄妙寺(じょうみょうじ)とともに「鎌倉五山」のひとつに数えられる建長寺は、JR北鎌倉駅から鎌倉駅方面に歩いて15分ほどのところにあります。
同寺に訪れて、まず驚くのは、その敷地の広さです。山と谷地を利用してつくられた立地は縦長で、入り口となる南東側の総門から、境内の北西端にある半僧坊(はんそうぼう)までの距離は、約3km。境内の約半分は山で覆われ、半僧坊から先は、ハイキングコースとなっています。山を抜ければ、鎌倉市内の瑞泉寺(ずいせんじ)方面や、横浜市の円海山方面まで足を伸ばすことができます。
広い境内は、「建長寺境内」として、国の史跡に指定されています。谷地に仏殿や法堂を建てる自然と調和した開山スタイルは、山に囲まれた町、鎌倉にある寺院の特徴です。
開山したのは、南宋(現・中国四川省)より渡来し、当時の日本に禅宗を広めた臨済宗の僧侶・蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)。日本初の禅寺(専門道場)です。創建を命じたのは、鎌倉幕府第5代執権・北条時頼(ほうじょうときより)。今から約750年前、建長5年(1253年)のことでした。
境内でひときわ目を引くのが、総門から法堂まで真っ直ぐに伸びた参道の両側に立ち並ぶ「ビャクシン(柏慎)」の巨木。総門から100mほどのところにある、見上げるほど大きな三門をくぐると、その姿が見えてきます。
ビャクシンの樹は、道隆が植えたと伝えられていますので、樹齢は、寺の歴史と同じく750年以上になります。樹高はそれほど高くはありませんが、長い年月を生きてきた証そのもののような幹の表面と、横に広がる、太く、たくましい枝葉の様子は、なかなかの迫力です。
ビャクシンは、ヒノキ科の針葉樹で、和名を「イブキ」と言います。境内のビャクシンは、神奈川県の「かながわの名木100選」と鎌倉市の天然記念物に指定されており、樹木医による樹の診察と保護が行われています。ビャクシンは、樹齢1500年を超えるものもあるそうですので、建長寺のビャクシンは、やっと折り返し地点を過ぎたばかりなのかもしれません。
東京に比べると、時間の進み方がゆっくりとしているかのように感じられる鎌倉の地で、ビャクシンは、悠々自適の時を刻んでいるかのように見えました。 (文と写真:杉山忠義)
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