2010/03/24
スイス、サンモリッツ周辺にて
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- 樹のある風景
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。今回の写真は、スイスの南東部、イタリア国境近くに位置するグラウビュンデン州にあり、スイス有数の保養地として世界的にも知られている、サンモリッツ周辺で目にした湖畔の風景です。
スイスには、ヌーシャテル湖、チューリッヒ湖、ルツェルン湖、レマン湖、マッジョーレ湖などの有名な湖がたくさんありますが、写真の湖(木々の奥に見えるのが湖面です)は、サンモリッツ周辺の、名もないありふれた湖です。
春の訪れを思わせる雰囲気もありますが、冬の間に積もった雪が溶けて、雪の下で眠っていた植物たちが一斉に芽吹き始めた、初夏の頃(6月)のひとコマです(残念ながら、撮影年代は、覚えていないのですが)。
私のヨーロッパ撮影で、最も多く足を運んだのがスイスです。季節や時期を変えて、毎年のように通った時期もあり、撮影時にメモ代わりに使っていた地図は、すっかり変色してボロボロに…。事務所の写真庫の一角は、「スイス・コーナー」と化しています。
私にとってのスイスは、年間を通して、どの季節でも、そして、知られた観光地から、ごくありふれた場所まで、ありとあらゆるところが、写真になります。何度訪れても、新鮮な気持ちで風景に向かうことができる、他にはない場所です。
どの月どの季節も、それぞれに魅力を感じますが、私が一番好きなのが、この写真を撮った、初夏の頃です。厳しい冬が終わり、芽吹き始めた木々が、あたかも大地が息を吹き返したように映り、生命の力強さに圧倒される思いがします。
ですが、地球環境の変化に伴い、このような自然の息吹が、毎年変わることなく見ることができるのか、不安に感じるときがあります。初めて訪れてから30年近くなるスイス行きを振り返ってみて、地球温暖化の兆しは、「温暖化」という言葉をニュースで耳にしたり、人々の間で環境のことが話題になったりする、ずっと前から目にしていたことを、この写真を見て思い出しました。
スイスへは、飛行機で入ることが多かったのですが、空から見ると、冬には周辺一帯が雪に埋もれるはずの場所が、年によっては、山の地肌が見えたままのときがありました。当時は、今年の冬は過ごしやすそうなどと無邪気に喜んでいましたが、今思えば、温暖化の影響だったのでしょう。
アルプス周辺など、標高の高い地域のほうが、温暖化の影響が出やすいと聞きます。何万年もの間、融けることのなかったアルプスの氷河が、今では、毎年、少しずつ縮小しているそうです。スイスの自然は、私たちに生命の素晴らしさを感じさせてくれる一方で、地球環境の危機を訴えているかのようにも映ります。
さて、2年間にわたってお送りしてきました「樹のある風景」ですが、ひとまず今回で終わりとなります。再び、このサイトで、みなさんに私の写真をご覧いただく機会があればと思っています。長らくのおつきあい、ありがとうございました。
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