2010/01/22
オーストリア、ザルツブルク郊外にて
- カテゴリ:
- 樹のある風景
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。今回の写真は、オーストリアのザルツブルク郊外で目にした樹氷の森です。冬のオーストリアは、何度となく訪れていますが、この写真を撮影したのは、1992年の大晦日のことでした。
オーストリアの国土面積は、北海道とほぼ同じ大きさです。ザルツブルクは、ザルツブルク州の州都であり、モーツァルトが生まれ育った地として、首都のウィーンとともに、世界的に知られています。街の知名度は世界的ながら、郊外に出ると、オーストリアの田舎でよく目にする風景が広がっています。この写真は、そんな、よくある風景のひとつです。
オーストリアの冬は、見た目よりも、ずっと寒さが厳しい印象があります。空は澄み渡った青空でも、気温はマイナス数十度。樹氷は、氷点下の環境下で水蒸気が凍結することで生じる霧氷が樹木に付着することでできます。日本で目にする霧氷は、太陽が出ると消えてしまうことが多いのですが、こちらでは、昼間でも見られます。それほど、寒さが厳しいということです。それなのに、日差しがいいと、現地の人たちは、服を脱いで日光浴を始めるのに驚いたことがあります。
冬のオーストリアは、スイスからレンタカーで入ります。ドイツやチェコからも入ることができますが、その場合は、オーストリアに入ってからが雪道になります。スイスからの場合は、レンタカーを借りたときから雪道を走ることになるので、オーストリアに入るまでに雪道に慣れることができて安心です。冬の撮影は、地図を頼りに、まだ見ぬ風景との出合いを求めて山道を進むことになり、ときには、それ以上先に進めなくなって来た道を引き返したことも何度となくあります。振り返れば、雪道でひやりとしたことも一度や二度ではありません。我ながら、よく無事でいられたものだと思います。
撮影に際しては、車での移動だけでなく、リフトやケーブルカーも利用します。オーストリアでは、日本のスキー場のように、リフトで上がって滑り降りるだけでなく、ケーブルカーでずっと上まで上がって、クロスカントリーのように山の中を駆け降りてくるスキーヤーの姿もよく目にしました。そんなスキーヤーたちに混じって、私は、スキーではなく撮影機材を抱えて、スキーを履かずに徒歩で、撮影しながらふもとまで降りてくるため、現地の人たちには、奇妙な日本人として映っていたかもしれません。
そんな思い出のある冬のオーストリア。最後に訪れたのは、ウィーンで写真展「天地風韻」を行なった2003年になります。今も当時と変わらぬ風景を目にすることができるのか、機会があれば、あらためて訪れてみたいと思っています。
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