2009/12/24
ドイツ、シュヴァルツヴァルトにて
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- 樹のある風景
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。今回の写真は、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州に広がる森林、シュヴァルツヴァルトの冬の光景です。
「シュヴァルツヴァルト」は、ドイツ語で「黒い森」を意味しますが、その名の通り、目に暗く、黒く映る森が、南北約160km、東西30~50kmにわたる形で広がっています。これだけの広さの森が、原生林ではなく、植林された「モミの木」(この時期は、クリスマスツリーの木として目にすることが多いと思います)によるというのですから驚きです。
シュヴァルツヴァルトが広がるバーデン=ヴュルテンベルク州は、西側をフランスとの国境、南側をスイスとの国境と接しており、さらに、東隣のバイエルン州が、南側をオーストリアとの国境と接していることもあって、アルプス山脈がすぐそこ、という場所です。そんな地での、この「黒い森」。初めて訪れた私の期待は、大いに高まりました。
周囲を海に囲まれた日本にいると、他国と地続きという立地、つまり、隣町まで買い物に行くような距離感で他の国になってしまうことを実感しにくいのですが、ドイツは、周囲をオランダ、ベルギー、フランス、スイス、オーストリア、チェコ、ポーランドの7か国と接しており(これまでご覧いただいた写真の撮影国では最多となります)、そのような地理的条件が風景に変化をもたらすのということでも、興味を覚えました。
そんなシュヴァルツヴァルトは、車で移動していると、どこまで行っても、森のなかを延々と走り続ける気がするのですが、この写真を撮影したときは、突然、目の前がパッと開けて、森を見下ろすような場所に出てびっくりしました。シュヴァルツヴァルトを見下ろす形で目にしたのは、このときが最初。私は、車を止めて、夢中になってシャッターを切りました。そのひとコマが、この写真です。1995年か1996年のことだったと思います。
私がドイツの風景を撮り始めたのは、東西ドイツ統一前の1980年代からですが、私の印象は、工業国でありながら、農業も盛んであり、田舎町という側面も持ち合わせた国というもの。先月の“樹のある風景”は、ベルギーでの写真でしたが、ヨーロッパ取材をまとめた写真集「大欧羅巴」にはベルギーの写真が1枚もなかったのに対して、ドイツの写真は、意外に多いことに気付きました(街並みの写真も少なくありませんが)。
ただ、写真の内容に関わらず、ドイツでの撮影に共通するイメージは、空は、いつもどんよりと曇っていた印象が強いということです。今回の写真の「黒い森」のように…。日本の場合は、冬であっても、晴れた日には真っ青な空を見ることができますが、ドイツでは、青空を目にした記憶がほとんどありません。久しぶりにこの写真を目にして、そんなことを思い出しました。
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