2009/09/25
ポーランド、首都ワルシャワ郊外にて
- カテゴリ:
- 樹のある風景
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。今回の写真は、ポーランドの首都ワルシャワ郊外で目にした、麦を借り入れたあとの田園風景です。撮影したのは20年ほど前の、社会主義政権が崩壊し、民主化の道を歩み始めた頃です。
ポーランドを訪れたのは、特定の撮影地や思い描いていた風景を撮ろうというものだったのではなく、いわゆる東側だった国をこの目で見ておきたいという好奇心からでした。当時、ポーランドを訪れる観光客の目的は、古い街並みを見たり古くからの伝統的文化に触れようというのが一般的で、自然の風景を見て回ろうという旅行者は珍しかったのではないかと思います。
民主化されたとはいえ、その頃は、まだ西側諸国のように自由に撮影することはできませんでした。撮影旅行は、オーストラリアのウィーンかドイツのベルリンでレンタカーを借りて、陸路で入国するのですが、当時は、入国手続だけで1日が終わってしまうような状態でした。また、レンタカーについても、車両が盗難に合うリスクが高いということで、ポーランド内で走れる車種は廉価なグレードに限る等、他の国にはない制約もありました。
当時の撮影旅行は、事前に訪れる国や撮影候補地の情報収集を済ませたうえで、入国後に現地で地図を入手して、それを参照しながらレンタカーで目的地を回るというものでした。ところが、このときのポーランド行きでは、事前に求める情報が入手できませんでした。さらに、現地に入ってから、撮影状況に合わせて宿泊先を変えるようなことは許されなかったため、事前に予約を入れたホテルのある街から街への移動途中で、「これは!」という風景に出合ったところでカメラを向けるという、“出たとこ勝負”の撮影となりました。
都市部では、戦争の傷跡が残る建物がまだまだ目につきましたが、郊外に出ると、平坦でなだらかな丘陵地に、のどかな田園風景がどこまでも続いているという印象でした。地理的には国土のほとんどが北ヨーロッパ平野に位置するポーランドは、季節による気候の変化が少なく、豊かで美しい森と平原が広がっているのが特徴的といえます。その広大さは、日本では目にすることがないほどですが、実は、国土の広さは日本の本州と北海道を合わせたほどと、日本よりも小さいのが意外に思えました。
撮影旅行の際は、訪れた土地のカメラ店に立ち寄り、その国や地域で流通しているカメラを集めることを趣味にしていることを、以前書きましたが、ポーランドでもカメラ店を見て回りました。旧東側諸国のイメージに反して、品揃えが豊富で値段も安く、私にとっては思わぬサプライズとなりました。
魅力的なカメラがたくさん並んでいて、迷いに迷った末、「ここからここまで、全部もらいます」と、初めての“棚買い”をしたのが、ポーランドでした。店主にとっては、ポーランドでは目にすることが珍しい、日本製の最新カメラを両肩から下げた日本人が大量のカメラを買っていく様は、不審を通り越して、驚きだったようです。このとき買い求めたカメラは、大切に手入れをして、今でも使える状態で手元にあります。
そんなふうにして世界各地で買い求めたカメラは、今や千台を超えるに至りました。最近では、写真展を行うように、それらのカメラを公開することができないものかと考えています。
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