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2009/07/23

ノルウェー、北部の森林地帯にて

カテゴリ:
樹のある風景

 
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。今回の写真は、北欧の国・ノルウェーの、夏の森林風景です。1998年の8月に、ノルウェー北部のトロムスを起点に、海岸線に沿って南下しながら撮影をした際に出合った“樹のある風景”です。
 


ノルウェーは、国土の面積は日本とほぼ同じ広さですが、陸地の大半をスカンジナビア山脈が占めるため、平地はごくわずかです。国土の半分が北極圏に位置するため、寒さが相当厳しいイメージがありますが、流れ込む暖流(北大西洋海流)の影響から、緯度に比べて寒さは穏やかで、冬場でも港は凍りません。
 
ただ、森林限界(高木が生育できなくなる限界高度)が低く、日本の1,000~2,500メートルに対して、ノルウェーは900メートル(低いところでは、わずか200メートル)ということもあり、山々の景色は、日本とはずいぶん違うものとなっています。厳しい環境とのせめぎ合いがもたらす荒々しさと雄大さは、日本にはない魅力のひとつです。
 
フィヨルドの存在もあります。フィヨルドは、氷河によって形成されたU字谷が海面下に沈水したものです。地図で見ると、入り組んだ海岸線が延々と続いてるだけのように見えますが、実際に訪れてみると、同じような風景が繰り返されるのではなく、目の前の光景が刻一刻と移り変わるような、変化に富んだ風景となっています。移動途中なのに、思わずシャッターを切りたくなるような風景が次から次へと目の前に現れ、目的地に着くまでに時間がかかって仕方がないほどです。
 
山の岩肌から直接、滝が流れ落ちる光景は、この地ならではのものです。日本の滝は、山間の渓流があって、滝がありますが、ノルウェーでは、フィヨルドに沿った道から少し入ったところの岩肌からも、いきなり滝が流れ落ちていたりします。
 
そして、オーロラ。オーロラが見られる場所としては、アラスカのフェアバンクスやカナダのイエローナイフがよく知られていますが、緯度のわりには温暖なノルウェーでは、それらの地域よりも過ごしやすい環境でオーロラを見ることができます。
 
そんなノルウェーの大自然に魅せられ、何度となく訪れていますが、荒々しさと雄大さに満ちた風景には、行くたびに圧倒されます。自然が厳しい土地というのも関係しているのでしょうか。人々のあたたかなもてなしも、ノルウェーの魅力のひとつです。
 
思えば、撮影中には、さまざまなハプニングもありました。その最たる出来事は、撮影中に軍に捕ったことです。三脚にカメラを据えて構図を決め、シャッターを切ったところで突然、軍に取り囲まれ、軍の施設に連行され、取り調べを受けました。このあたりに軍の施設があるというのは、手元の地図には載っていませでしたし、ファインダーをのぞいた際にも、それらしき建物は見えませんでしたが、カメラを向けていた方角の奥に、軍の施設があるというのです。
 
自分は写真家であり、たまたま目にした風景が素晴らしかったので写真を撮っていただけだと説明しても、相手は、名勝地でもないこんな場所で写真を撮って何になるのか? と取り合ってもらえないだけでなく、そもそも、写真家という仕事自体が理解してもらえず、フィルムはその場で没収、長時間に渡って拘束を受けました。もっとも、対応は紳士的で、ドラマで見るような手荒な扱いは受けませんでしたし、最終的にはフィルムも返還されましたが…。それも、今では懐かしい思い出です。
 

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