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2009/02/06

2月の樹 ~北海道音更町の白樺

カテゴリ:
樹のある風景

 
みなさん、こんにちは。写真家の竹内敏信です。前回の「1月の樹」では、北海道・帯広市の南側に隣接する更別村で撮影した風景をご覧いただきましたが、今回の写真は、帯広市の北側に隣接する音更町(おとふけちょう)で撮影したものです。この風景は、2001年に「日本の正月」をテーマに北海道でロケをしていたときに出合いました。
 


音更町は、北海道にある「町」では最も人口の多い町で、十勝川温泉があることでも知られています。「音更町」の名を耳にするのは初めてでも、「十勝川温泉」をご存知の方はたくさんいらっしゃると思います。
 
「1月の樹」同様、撮影時期は、北海道の厳冬期です。撮影場所は、この地ではごく普通の白樺の樹林ですが、付近を流れる十勝川の水によって発生した霧氷で白樺が真っ白な装いに変わったところで樹木だけを画面いっぱいにフレーミングし、さらに、カメラの位置を下げることで背景を青空一色として、真っ青な美しい空をバックに樹木の白を際立たせることで、木々の表情を、より印象深いものとしています。
 
普段は何でもない白樺を、北海道の厳しい自然がもたらした霧氷が、この時期に、この地でしか見ることのできない特別な風景に変えました。しかし、厳冬期であっても、この風景が見られるのは、いつでもというわけではありません。霧氷が生じるための条件が重なって、初めて見られるものです。そして、運よく見られたとしても、見られる時間は、日が出てからわずか1時間ほどでしかありません。そんなはかない風景を、カメラは永遠のイメージとして定着してくれます。目の前の風景の素晴らしさとともに、カメラのありがたさを感じる瞬間です。
 
このように、日頃は何でもないような風景であっても、その土地ならではの気象状況や光の状態などが加わることによって、普段とは異なる表情を見せることがあります。ごくありふれた風景にプラスアルファが加わることで、特別な風景に変わるのです。暮らしのなかにある何気ない風景であっても、その土地で暮らす人たちでさえ気づかない、あるいは、目にしたことがないような風景となる可能性が、まだまだ残されているのです。
 
ときには、そんな視点から、身近な風景を見直してみてください。自分や地域の人たちも気づかなかった、新たな発見があるかもしれません。今まで気づかなかった風景に出合うことができるのも、風景写真を撮る醍醐味のひとつです。ぜひ、あなただけの風景を見つけてください。大変さを上回る、大きな喜びを感じることができると思います。
 

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